2021年1月10日日曜日

吸収パターンの目的

これまでの章で

「物理現象は時空の中に無数に含まれる形のパターンと区別が付かない。

我々が存在できる様な形のパターンだけが自動選択される。」

(自動選択の原理)

という話をしてきました。

一方、この章では

「空間は拡大しており、物質がそれを吸収している」 

(吸収パターン) 

という

一見すると大分違った考え方を導入します。


実はこの章で述べる吸収パターン

これだけでも統一理論の1種と言って良いのかも知れません。

4つの力を統一的に説明するものだからです。

 
ただし説明の過程で自動選択の原理も入ってきます。

つまり吸収パターンによる統一理論の内部に自動選択の原理が

含まれる事になるわけです。


しかしこれは自動選択の原理が単独では

成立し得ない理論だという意味ではありません。


むしろ自動選択の原理に矛盾がない事を示すために

何か枠組みが必要であり、それが吸収パターン

だと言う言い方も出来ます。


仮にこの章で述べる吸収パターンが間違いで

別の統一理論が正しいものだと認識される時代が来たとしても

それでもなお自動選択の原理は正しい可能性があります。

一般的には4つの力を統一する理論が作られれば

それは万物を説明する万物の理論となると期待されている

気がしますが、これはどうも4つの力に的を絞り過ぎた話

だという気がします。


物理の法則には4つの力の他にも単純かつ確定的なものが

いくつかあります。

プランク定数が守られる事、相対性理論、慣性の法則

などです。

誰かの手によって統一理論が作られた時、

これらの法則に対しては説明がなされるのでしょうか?

それとも自明のルールだとか、理論のための

前提条件と言った扱いになるのでしょうか?


また仮に全てを説明する理論が出来たとしても

ではなぜその理論で世界が説明できるのか、

つまりこの世界がなぜそのような理論通りに現象が

構成される世界になっているのかは説明可能でしょうか?

そういった疑問に自動選択の原理が

適切な説明を与える可能性があります。 

自動選択の原理は全ての物理法則や物理現象の

根源・土台を説明しようとするものだからです。

 
とは言え自動選択の原理は簡単に言えば

「時空に含まれるどの様な形のパターンでも物理現象になり得る」

と言うぐらいの事しか言っていないので

このままでは想像できる形のパターンに色んな可能性があり過ぎて

この原理によって具体的には物理法則が

どう説明されるのかは分かり難いと思います。



そこで登場するのが吸収パターンという訳です。

厳密な話は以降のページで行いますが、ここで

もう少し吸収パターンと自動選択との関係に

踏み込んでみます。


上でも述べた様に自動選択を考える時、

選択候補となる形のパターンが

多すぎるのが一つの問題だと言えます。


しかし形のパターンにも確定的な性質・制限があります。

それは

「どの様な形のパターンであれ時間と空間(時空)を使用する」

というものです。

例えば球体が存在するならその球体は

その体積の分だけ空間を使用しているし

その球体が存在している間は時間も使用している

事になります。


従って巨大な形のパターン程、巨大な空間が

必要だと言える訳です。


これは形のパターンを規定・選別するための

大きな制約になり得ます。

 

ただし このままこの制約を使う訳にはいきません。

なぜなら形のパターンは時間的、及び空間的に

重複して存在できるからです。


これを包括原理と呼んで一応説明もしていますが

難しい話ではなく、単に形のパターン同士が

重なる事も考えられるよね?という話です。

 図

つまり形のパターンは時空を使用するものの

それはあくまで「使用」であって「消費」ではない訳です。

どの様な形のパターンであれ時空を共有できて

しまう訳です。

これでは形のパターンがいつでもどこにでも発生するのを

防ぐことはできません。


そこで吸収パターンの考え方を導入します。

次回詳しく述べますが簡単に言えば吸収パターンとは

形が空間を吸収するパターンであり、

空間の吸収は空間の消費を意味するため

吸収体の周囲に同時に生成可能な形のパターンは

制限されます。


2021年1月5日火曜日

観測選択の原理

 自動選択によって世界を構成する形のパターンが

うまく選ばれていったとしても、依然として時空には無数の

形のパターンが存在する事に変わりありません。


つまり我々が物理現象とみなさなくても

単なる形のパターンは時空にいくらでも存在しています。


しかし勿論、その様な我々が観測できない形のパターンは

物理現象だと考える必要はありません。


直接的に観測できなくても、せめて間接的には観測できる

形のパターンが物理現象であると認められるべきです。


これはつまり

「自動選択によって選ばれる世界は観測と関係する」

という法則が存在すると言っても良いと言う事を意味します。



この法則を観測選択の原理、または単に観測選択

と呼ぶ事にします。