2018年4月25日水曜日

時間と次元

世界が何次元で構成されているか
これまでいくらか考察してきましたが
3次元の空間というのは
やはり他の次元には代えられない
存在だと思います。


なぜなら前のページで述べた様に
3次元を超える高次元の世界は
3次元空間+時間によって表現できるからであり、

また3次元より低い次元が
単独で成立していると考える必用もないからです。

例えば2次元平面しか存在しない
世界を想像して見てください。


この時点で平面の両サイドに空間を
想像できませんか?

同様に1次元世界として直線を考える場合も
どの方向に向かう直線なのかが問えるので
それは3次元空間におけるパーツの一つ
だという気がするのです。


つまり色々述べておきながら結局
3次元空間は我々が最低限
存在を認めても良い概念だと思います。


では
時間に関してはどうでしょうか?
 

時間とは一つの次元なのでしょうか?


時間というのは何かの動きがなければ
知る事が出来ない概念です。

この世界にはなぜだか分からないが
とにかく何かの動きがある訳です。

そして我々は何か一定の動きを繰り返す
形のパターンをもってして
時間の基準としています。

つまり
確実に存在していると分かるのは
何かの動き=形のパターンであって
絶対的な時間の流れが背後にある事は
保証されてはいません

例えば以前「時間別世界」として指摘した様に
世界全体の時間の流れ方がおかしくても
内部の知覚者には分かりません。

従ってこの世界の時間の流れ方が
スムーズで連続的だとは断言が出来ない事になります。


ただし現象が発生するには最低限
「次」という概念が必用になる
と言う事は出来ます。

何かの動きを分解すると
それはスムーズな動きに見えても
次から次への形の変化、つまり
瞬間から瞬間への移行によって構成されている
と考える事が出来ます。

この瞬間から瞬間への移行が
スムーズに連続的に発生しているのか
あるいは もっと歪な感じで移行しているのかは
断定できませんが、
ともかく「次」から「次」へと
形のパターンが変化していく世界が
存在している事は確実だと言える訳です。

時空現象論においても最低限「次」という概念が必用です。
なぜなら時空現象論では形のパターンは
自動選択によって決まると考えますが
自動選択は次への移行なしには発生しないからです。
…まぁ当たり前ですけれど。


逆に言えば時空現象論では
「過去から未来へ一定速度で流れていく時間次元」
という様な考え方は必ずしも必用ではありません。

次への移行さえあれば、つまり
次から次」とか「瞬間から瞬間」とか「空間から空間
等が指定される構造さえあれば良いのです。

ではこの世界の時間の流れ方は
本当は滅茶苦茶だったりするのでしょうか?
あるいは世界には本当は瞬間的な空間しか
存在していないのでしょうか?

私はその様な考え方をする必用もないと思います。
我々は瞬間に存在する空間を想像した時点で
その前後の時間に存在する空間、
ひいては永遠に存在する空間を想像できるからです。




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2018年4月16日月曜日

知覚と次元

前のページでは構造的な視点から
次元の論理を考察しましたが…

実際の所

この世界は何次元で構成されているのでしょうか?



…まぁそれは
根源的には断定が出来ない事なのかも知れません。

なぜなら知覚者にとっては
知覚パターンさえ成立すれば世界が成立するからです。

つまり我々が知覚している次元と現実の次元が
同じという根拠がないのです。

この事をもう少し具体的に考えてみましょう。

我々の知覚パターンを構成する個々の神経細胞は
単独で己の位置を知っている訳ではありません。

全体的な信号のタイミングや他の細胞からの
接続状況等によって
知覚が構成されると考えられます。

例えば事故によって腕をなくした人に対して
脳に電気刺激を与える事でなくしたはずの
腕が存在していると思わせる事が出来たりする
らしいです。

これは「現実の物理的な位置
という感覚が必ずしも事実を反映している訳ではなく
脳内で作られている可能性を示唆しています。

従ってちょっと大雑把な話になりますが
仮に神経細胞などの知覚と関係する要素を
2次元平面上に配置し直してから信号の順序やタイミング
等を調整する事が出来れば
2次元平面に存在しながらも3次元を知覚する知覚者を
作る事が出来るかも知れません。




この様に我々は世界を客観的に把握したくても
あらゆる知覚や思考は主観で出来ているため
本当に客観的に世界を観察できているかに関しては
断言が難しい分けです。

この事はバーチャル空間で動作する人工知能
について考察した時にも浮き彫りになります。

人工知能を知覚者として認めた場合
彼らは何次元の世界に住んでいる事になるでしょうか?


例えば2次元のゲーム世界用に作られた知能なら
世界を2次元的に理解するでしょう。
しかし実際に彼等の思考の元になっているのは
3次元空間に存在するコンピューターです。

それでもコンピューターで実行するプログラムが
電気信号のオンとオフの配列で表せるから…

等と考えていくと知覚と次元の関係には多様な可能性がある様に
思えます。


従ってこの世界が3次元空間+時間で構成されている
という考え方も一つの推測だとか基準に過ぎないと
言える訳です。

時空現象論においても絶対的事実として
世界が3次元空間+時間で構成されている」と
言いたいのではなく
特に必用がない限りはそう考えておくのが
分かり易いと思ったのでそういう前提に立っている
という面があります。


しかしながら現象形象説が正しいなら
3次元+時間以外の次元は無形事象、
つまり理論的な存在
だと考える事が出来るという事は
指摘しておきます。


つまり仮に世界の説明に4次元を超える
高次元が有用だという理論を作ったとしても
その理論通りに世界が動いている事を確認するには
3次元空間+時間によって表現される
形のパターンに頼る他ないと思われる分けです。




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2018年4月1日日曜日

3次元以外の空間


今回は次元が多い空間とはどういう事なのかを
考察します。


我々は日常において3次元空間の考え方に慣れています。



3次元空間では例えば横軸(X)・縦軸(Y)・奥行(Z)の様な
3つの数字で位置を指定可能です。


しかし物理の研究においてはそれを超える次元を持つ空間を
想定する事があるらしいです。

ところで次元が沢山あるとはどういう事なのでしょうか?

簡単に言えば一つ次元が増えるごとに
何かの比や量・数字で表す事ができる様な
項目が一つ増えます。

例えば1次元あれば一つの数字が使えるので
直線上の位置を表す事が出来ます。



これが2次元になると2つ数字が使えるので
例えば横軸と縦軸で要素の位置を指定できます。
従って2次元の要素が沢山あれば絵が描けます。


3次元あればそれに加えて奥行きも表せるので
立体が表せます。


ただしその立体に色を含む事ができるかと言うと微妙です。
なぜなら色の識別は形と知覚パターンの相互作用だと言えるからです。
つまり時間の存在が必用になります。



4次元あれば3次元空間に加え
4つ目の数字で「いつ?」を指定できる様になるので
時間を表せます。
これにより「普段は存在しないけれど ある瞬間にだけ存在する形」
が表せます。
また形の動き、色、アニメーション等も表せます。

この様に3次元空間に時間の次元を加えた4次元を
4次元時空と呼ぶ事にします。


さて、ここまでは常識的な世界観だと言えますが
仮に世界が5次元で構成されているとしたら
どの様な事が言えるでしょうか?



これは例えばパラレルワールドが無数にある中で
どの世界を指定するか…みたいな表現が可能になります。

ここで言うパラレルワールドとは
この世界とは別に存在していて
独自の空間や時間の流れを持っている世界です。
そんなものが本当に存在するかは分かりませんが
ここでは思考の材料として少し考えてみましょう。
 
5次元あればなぜパラレルワールドが存在可能かと言うと
世界に次元を1つ増すごとに
それまでの世界をまるごと含んだ世界を
特定の方向へ無限に並べる事が出来る
からです。

どういう事かと言うと…
まず0次元から考えて行きましょう。
0次元を一つの点だけが存在する世界だと考える場合
上のルールに従えば
1次元は点を一つの方向に無限に増やせるので
直線が作れます。


2次元は直線(1次元)を特定の方向に無限に増やせるので
平行に並べて行けば平面が作れます。


そして平面(2次元)を無限に重ねれば
立体空間(3次元)が作れます。


ところが4次元目はどうかと言うと
空間上に重複なしに伸ばせる方向がもう
残っていません

しかし時間軸というのを一つの方向と考えると
空間を無限に連続させたものが時間である 
と考える事が出来ます。

つまり
3次元空間が瞬間の空間だと考えれば
それを無限に並べて行けば時間がスムーズに
流れる空間になると言える訳です。


それではこれにさらに次元を加えて
5次元の世界になるとどうなるのかと言うと
4次元時空の時点で既に一般的に
思い浮かべられる世界そのものだと言えるので、
5次元の世界は世界そのものが
言わば世界軸とでも言える軸に沿って
無限に並んでいる状況と例えられるかも知れません。

従って仮に5次元空間があれば
パラレルワールドが沢山ある状況
だと言えるのです。

 …とは言え世界を並べるって言うのは
これはもう意味が分からない、
理論的想像は出来ても具体的な空間的想像が出来ない
状況と言えるかも知れません。

別に私は5次元空間の存在を推す訳ではないし
本当にそんなものが成立可能なのか分かりません。
また仮に成立可能だとしたら、それは
一つの4次元時空を共有する別世界とどう違うのでしょうか?
一つの4次元時空の世界においても
空体パターンの重なりとして
いかようにも別世界を定義できるのです。


ただし世界を構成する次元を必ずしも
空間的な軸だと考える必用はありません。

次元と言うのは世界に存在する要素を
整理するための一つの方向性に過ぎない
考える事が出来ます。

そうすると物理現象を5次元以上によって
法則化する事も妥当性があると言える訳です。

つまり最初に次元の説明として
「一つ次元が増えるごとに
何かの比や量・数字で表す事ができる様な
項目が一つ増えます。」
と述べましたが、
この一つの項目が必ずしも
空間上の方角を表す必用はないのです。

では次元は時間や空間以外に
どのような概念が表せるのでしょうか?

それは高次元を必用とする個々の理論次第だと言えますが
一つはっきりしているのは
次元が増すごとに要素の自由度が増すという事です。

要素の自由度とは要素の存在のあり方の可能性だとか
要素の状態設定の幅の事です。

要素の自由度が増す事により
それまでの次元で同じだと思っていた要素や
近い存在だと思っていた要素同士の状況が
劇的に変化する事があります。

例えば2次元平面上で点という要素を考える時
下の図の様に近接していた2点が
 一つ次元を加えた3次元で考えると遠かったという事もあり得ます。


だからもし5次元目の空間が存在しているとしたら
同じ場所、同じ時間に存在している要素同士
にも関わらず何か知らんけど存在としては遠い…
みたいな事が起こり得る事になります。

要は次元が一つ増えるごとに
要素と要素の間に何かしらの新しい近似度や
評価基準がもたらされる訳です。



これにより…
普通、3次元空間における最も単純な要素と言えば
点、つまり位置ですが高次元の世界においては
位置は要素の一部の性質に過ぎない…
という考え方も可能になります。


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