この世界が吸収パターンで出来ているとしたら
それはつまりこの世界が簡単に言うと
「拡大しようとする空間とそれを縮小しようとする物質の
バランスのとり方」として構成されている
という事を意味しますが
その様な世界で変異は起こらないのでしょうか?
(変異が起こった場合はちゃんと崩壊するのでしょうか?)
ここでは起こり得る変異を
拡縮変異・移動変異の2種類に分けて検討します。
このページではまず拡縮変異を説明し、
移動変異は別のページで
「そもそも正常な移動とは何なのか」を述べてから
説明します。
拡縮変異と言うのは拡大率(放出量)・または縮小率(吸収量)の異常
を指すものとします。
この世界のどの部分がどの様に拡大し、またどの部分がどの様に縮小
しているにしろ、我々にとっては安定した世界に見えています。
つまり部分的には拡大量の大きい部分や縮小量の大きい部分が
あるとしても、全体としては宇宙がゆっくりと拡大している様に
見えるバランスとして落ち着いてると考えられる訳です。
そんな中、どこかに拡縮変異が
現れたとしたら、その変異は時間に従って拡大すると考えられます。
なぜならある場所の拡大率とはその周囲の拡大率との比として現れるため
ある場所で拡大率が拡大過剰、あるいは縮小過剰になった時には
既にその周囲ではバランスできずに、つまり周囲を含めて
拡大率が異常になっている事を意味するからです。
そしてその周囲は、当然そのまた周囲とバランスしていたはずですが
そのまた周囲もすでにバランスが崩れて拡大率の異常に巻き込まれている
事を意味します。
このように考えると一か所の拡大率の異常が発生した時点で
時間と共にそこから異常が増大する事になるし
その異常は宇宙全体の異常でもある事になります。
では、ある部分で発生した異常拡大を
別の場所で発生した異常縮小で相殺する
みたいな変異の仕方は可能なのでしょうか?
拡大も縮小も放射状に発生し
その効果は距離の2乗に比例して
減衰しますが、影響は無限遠に及びます。
しかも放置しているとその影響は
あっという間に増大します。
なぜなら拡大率(縮小率)の大きくなった空間は
空間を異常に増大(減少)させ、その結果、
さらに拡大率(縮小率)が増大する事になるからです。
図
この様な作用を相殺するには異常が発生した
瞬間(異常が起こってから時間が経過する前に)
逆の作用を全く同じ場所で起こす
必要があります。
少しでも時間が経過してしまうと
拡大(放出量)や縮小(吸収量)は無限遠まで伝わるので
それぞれの場所で新たなパターンの異常を引き起こし
その異常もまた時間と共に拡大していく事になります。
しかしながら時間が経つ前にパターンを修正すると
何も起こっていない事と同じなので
その様な相殺は自動選択の選択肢にはなり得ません。
従って拡縮変異は起こらない(起これば必ず崩壊に至る)
と言えるのではないでしょうか?