知覚者が実際に記憶通りの体験をしているかどうか
とは無関係に知覚パターンが成立する場合があります。
例えば原理は不明だけれども
中に入れた媒体を
丸ごと別の場所にコピーできる
マシーンがあったとします。
もう少し具体的に言うと上の図の様な装置があるとします。
Aの中は空であり、Bの中はあらゆる媒体を再現できる様に
豊富な資材が入っているとします。
そして今、装置Aの中に知覚者が入って扉を閉めると装置が作動し、
Bの中に入れておいた資材を用いて
知覚者のコピーが生成されたとします。
ここで誕生した知覚者はコピーされただけなので
記憶通りの人生を送ってきたかと言うと
必ずしもそうとは言えないかも知れませんが、
Aに入った時の記憶を持っているので
自分こそがオリジナルの知覚者であると感じるでしょう。
ところでこの装置で
AからBへのコピーを行った後
Aの中身を崩壊させれば
結果としてこの装置はコピー装置ではなく
転送装置だと見なす事も出来ます。
まぁ実際に知覚者の転送装置として使うと
ドン引きされるかも知れないシステムですが…
さて、本題に入ります。
以前、知覚者がどの様な未来を迎えるかは常々
自動選択によってふるいにかけられている…
みたいな話をしましたが
自動選択の分岐は
同じ様な状況になる知覚パターンが
多ければ多いほど選択され易い
と言えます。
これを多量選択の原理、または単に多量選択と呼ぶ事にします。
例えば次の装置では
Cに知覚者を入れて扉を閉めると
その知覚者が消滅し、
同時にAには1人、Bには2人
コピーが生成されるとします。
つまりこの装置では1つの媒体を3つに増やせる訳です。
この時あなたがCに入るとすれば
多量選択の原理により
Bから出てくる可能性が高いと言えます。
Aから出る確率が3分の1
Bから出る確率が3分の2
です。
勿論これは客観的に言うなら
AとBの中のどれがあなたでどれがあなたでない
とは言えず、全て元は同じ知覚者です。
しかしながら結果を見ると
「私はCに入りBから出てきた」
と考える知覚者は
「私はCに入りAから出てきた」
と考える知覚者の2倍になる分けです。
多量選択のまとめ
知覚者が自動選択によって
どの様な分岐を選ぶかは
未来に同じ状況(記憶を継承できる状態)
が多く用意されている程多くなる。
これを多量選択の原理と呼ぶ。
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