2021年8月30日月曜日

距離の増減

 「吸収・放出などの用語」において

吸収パターンにおける吸収とは何を指すのかと言うと

まず距離の縮小であると述べました。



そして距離の縮小があらゆる方向に対して起こると

空間が縮小するように見えることから

空間の縮小とか空間の吸収と言うような表現も

使っていく旨を述べました。



吸収パターンの話を進めるうえで

おおよそこの事が分かっていれば

問題ないのかもしれませんが

今回は

「厳密に考えると空間は減らない」

「距離が変化するだけ」

「つまり形同士が移動するだけ」

みたいな事を確認しておきます。

 
まず本当に空間を縮小させるには
どうすれば良いのかを考えてみます。

逆に空間を拡大する事例から見ると
「形が縮小すると空間が拡大する」で述べたように
空間を拡大させるには形を縮小すれば良いのでした。
では空間を縮小させるにはどうするかと言うと
形を拡大させればそのように見えます。
 

空間が全体的に縮小しても比較対象がないので
空間が縮小したという現象は誰からも観測されない事になりますが
形だけが拡大すれば空間は相対的に縮小した事になる訳です。

これが空間の実際の縮小に相当する現象だと言えます。

つまり吸収パターンを作るには前提として
拡大する空間が必要なのに
その操作を反転して空間を縮小させてもそれは
時間が巻き戻ってしまう様な事だと言えます。
これでは形同士が詰まってしまって
パターンが作れなくなってしまいます。

つまり吸収パターンは
空間が拡大するに従って
吸収体同士で集まるなどの継続的な移動をして
密度をコントロールするだけのパターンであり
空間自体の増減に介入する訳ではありません。


簡単な例で確認すると
2点間の距離が縮む場合

 〇ーー→ーーー←ーー〇
ー〇ーー→ー←ーー〇ー

2点の中心へ距離が縮む分、反対側は拡大しているので

中心への距離が縮んだのと同じくらい

外側への距離が拡大している

と言える訳です。


このように、吸放体による空間の吸収・縮小とか
放出・拡大などの表現は
形同士の位置の変化に過ぎない
と言えます。
 

2021年8月8日日曜日

形が縮小すると空間が拡大する

この世界が吸収パターンだとしたら
前提として拡大する空間が必要です。
空間が吸収される一方だと
形のパターンを構築するのに必要な空間が
不足してしまうからです。

幸い、観測によって宇宙は拡大していることが
明らかになっています。
従って時間当たり吸収体によって吸いきれない程の
十分な空間の増量があるため
吸収パターンは成立可能です。
 
この章「吸収パターン」では

・空間が拡大している
・物質が空間を吸収している
・その差分が宇宙の拡大率に見える
 
という事を考えはしますが
空間が拡大するのは
吸収パターンが成立するための前提条件であり

「そもそもなぜ空間が拡大するのか?」

と言う疑問にはこの先、答えるつもりはありません。

これはどちらかと言うと現象形象説のテーマ
だと思います。
現象形象説の観点からは次のような説明が可能です。
 

・形が小さくなる事と距離の拡大は区別がつかない
・よって物質が小さくなる事と距離の拡大は区別がつかない

 つまり

宇宙の全ての天体や物質が同じ比率で縮小したら
宇宙空間全体が拡大している事と区別がつかない
 

と言えます。

 
従って

宇宙が拡大しているのではなく我々が小さくなっている

のかもしれません。
 
と言うか単純に宇宙空間全体が拡大していると考えると疑問が生じます。
空間自体が拡大すれば我々を構成する形も拡大し、
つまり比較対象全てが拡大して結局拡大する前と
観測される現象は何も変わらない事になり兼ねないからです。

従って、「物質を除いた空間だけが拡大する
とか、あるいは「物質が小さくなっている
などと考える必要が出てきます。

そして両者は区別が付かなかったりします。
区別が付かないなら両者は同じ事と考えても
良いはずですが、現象形象説の立場から言うと
物質が小さくなっていると考えるのが
シンプルで良いと思います。

そもそも「空間自体が拡大」って概念的に成立するか怪しい気がします。
元々、空間は無限に広がっていると想定できます。
それがさらに大きくなるとか想像できますか?
想像できたとしても意味をなさない気がしませんか?

「本当の空間」がどうあれ、そこに存在(を想定)する
形同士の大きさと距離が観測者にとっての認識できる全て
なのは間違いがありません。
 
従って
仮に本当に空間が拡大しているとしても
物質がそれを超える速度で拡大してしまえば
観測者にとっては空間は縮小しているというのが事実となります。

つまり現象形象説的には、仮に空間が
拡大していても意味が薄いと言えます。

 
ただし物質の縮小によって空間が拡大する場合、
小さくなるのは物質の形だけではなく
力や移動速度や吸放量など
距離に関わる要素は概ね形同様に
小さくなるべきです。

そうしないと、空間だけが拡大している
という前提に立つことが出来ません。
 
難しく考えなくても
形が小さくなって空間が拡大した時、
我々は普通に力なども小さくなっていると
暗黙に了解するものなので
特に何も考えなければ混乱はないと思います。

現象形象説としても
何が拡大して何が縮小しようが
それが世界を構成するうえで必要なパターンならば
存在可能なので問題ありません。

以上説明したような形の縮小によって
空間が拡大するというパターンを
形象縮小パターン
と呼ぶことにします。

 空間自体は拡大しなくても
形のパターンとしてそう見えるという
パターンはこれとは別にもう一種類考えられますが
今後登場させる予定はないので
読み流しても良いと思います。

それは全ての形がどこかを中心としてその距離に比例して
遠ざかるパターンです。



これを中心拡大パターンと呼ぶことにします。

中心拡大パターンは一つの固定された点を
中心として
他の形が遠ざかることで形成される
パターンです。

空間自体の拡大ではない
縮小縮小パターンでもないため
空間が自動的に余白を生じる事は出来ないので
中心から遠い形ほど、時間あたりに
自力でたくさん移動しなければ
このパターンは維持されません。

まぁ空間は無限にあるし形のパターンは自由なので
そういうパターンも一応、成立はするので挙げておきました。

なお、これは実態としては一つの中心から
拡大するパターンなのですが
見た目としてはどこを中心としても
均等に空間が拡大している様に見えます。

問題になるのはこのパターンに手を加える場合です。

どこでも均等に拡大している様に見えても実際は
違うので、手を加える場合、一つの中心をもった
単純な構造になりがちです。

縮小パターンが複数の中心をもった
構造を作りやすいのに比べると
中心拡大パターンは
単純な構造になり易いと言えます。

もう一つ問題なのは
中心拡大パターンに手を加えた場合、
その時点で「空間が同じような拡大を続けている」
という前提が崩れる事です。

形象縮小パターンの場合
形の疎密とか形の分布がどうなろうが
形の縮小率=時間の経過具合に合わせて
空間はどこであれ距離に比例して拡大する
という前提が維持されます。



しかし中心拡大パターンは
そこに手を加えた時点で
均等な拡大ではなくなってしまいます。
つまり「前提として拡大する空間」
みたいな条件が利用できないため
話が複雑になる事が考えられます。

また、一つの中心から拡大するパターンが
欲しければ縮小パターンにおいても
どこかを不動の中心として捉えれば
そのようなパターンを見出す事が出来るため
中心拡大パターンは縮小パターンの中に
含まれる特殊なパターン、特殊な見方
というような捉え方をしても良いでしょう。


2021年4月20日火曜日

拡縮変異

 この世界が吸収パターンで出来ているとしたら

それはつまりこの世界が簡単に言うと

「拡大しようとする空間とそれを縮小しようとする物質の

バランスのとり方」として構成されている

という事を意味しますが

その様な世界で変異は起こらないのでしょうか?

(変異が起こった場合はちゃんと崩壊するのでしょうか?)


ここでは起こり得る変異を

拡縮変異・移動変異の2種類に分けて検討します。

このページではまず拡縮変異を説明し、

移動変異は別のページで

「そもそも正常な移動とは何なのか」を述べてから

説明します。

 

拡縮変異と言うのは拡大率(放出量)・または縮小率(吸収量)の異常

を指すものとします。


この世界のどの部分がどの様に拡大し、またどの部分がどの様に縮小

しているにしろ、我々にとっては安定した世界に見えています。


つまり部分的には拡大量の大きい部分や縮小量の大きい部分が

あるとしても、全体としては宇宙がゆっくりと拡大している様に

見えるバランスとして落ち着いてると考えられる訳です。


そんな中、どこかに拡縮変異が

現れたとしたら、その変異は時間に従って拡大すると考えられます。


なぜならある場所の拡大率とはその周囲の拡大率との比として現れるため

ある場所で拡大率が拡大過剰、あるいは縮小過剰になった時には

既にその周囲ではバランスできずに、つまり周囲を含めて

拡大率が異常になっている事を意味するからです。

そしてその周囲は、当然そのまた周囲とバランスしていたはずですが

そのまた周囲もすでにバランスが崩れて拡大率の異常に巻き込まれている

事を意味します。

このように考えると一か所の拡大率の異常が発生した時点で

時間と共にそこから異常が増大する事になるし

その異常は宇宙全体の異常でもある事になります。


 では、ある部分で発生した異常拡大を

 別の場所で発生した異常縮小で相殺する

みたいな変異の仕方は可能なのでしょうか?


拡大も縮小も放射状に発生し

その効果は距離の2乗に比例して

減衰しますが、影響は無限遠に及びます。

しかも放置しているとその影響は

あっという間に増大します。

なぜなら拡大率(縮小率)の大きくなった空間は

空間を異常に増大(減少)させ、その結果、

さらに拡大率(縮小率)が増大する事になるからです。




この様な作用を相殺するには異常が発生した

瞬間(異常が起こってから時間が経過する前に)

逆の作用を全く同じ場所で起こす

必要があります。

少しでも時間が経過してしまうと

拡大(放出量)や縮小(吸収量)は無限遠まで伝わるので

それぞれの場所で新たなパターンの異常を引き起こし

その異常もまた時間と共に拡大していく事になります。

しかしながら時間が経つ前にパターンを修正すると

何も起こっていない事と同じなので

その様な相殺は自動選択の選択肢にはなり得ません。


従って拡縮変異は起こらない(起これば必ず崩壊に至る)

と言えるのではないでしょうか?

 

2021年1月10日日曜日

吸収パターンの目的

これまでの章で

「物理現象は時空の中に無数に含まれる形のパターンと区別が付かない。

我々が存在できる様な形のパターンだけが自動選択される。」

(自動選択の原理)

という話をしてきました。

一方、この章では

「空間は拡大しており、物質がそれを吸収している」 

(吸収パターン) 

という

一見すると大分違った考え方を導入します。


実はこの章で述べる吸収パターン

これだけでも統一理論の1種と言って良いのかも知れません。

4つの力を統一的に説明するものだからです。

 
ただし説明の過程で自動選択の原理も入ってきます。

つまり吸収パターンによる統一理論の内部に自動選択の原理が

含まれる事になるわけです。


しかしこれは自動選択の原理が単独では

成立し得ない理論だという意味ではありません。


むしろ自動選択の原理に矛盾がない事を示すために

何か枠組みが必要であり、それが吸収パターン

だと言う言い方も出来ます。


仮にこの章で述べる吸収パターンが間違いで

別の統一理論が正しいものだと認識される時代が来たとしても

それでもなお自動選択の原理は正しい可能性があります。

一般的には4つの力を統一する理論が作られれば

それは万物を説明する万物の理論となると期待されている

気がしますが、これはどうも4つの力に的を絞り過ぎた話

だという気がします。


物理の法則には4つの力の他にも単純かつ確定的なものが

いくつかあります。

プランク定数が守られる事、相対性理論、慣性の法則

などです。

誰かの手によって統一理論が作られた時、

これらの法則に対しては説明がなされるのでしょうか?

それとも自明のルールだとか、理論のための

前提条件と言った扱いになるのでしょうか?


また仮に全てを説明する理論が出来たとしても

ではなぜその理論で世界が説明できるのか、

つまりこの世界がなぜそのような理論通りに現象が

構成される世界になっているのかは説明可能でしょうか?

そういった疑問に自動選択の原理が

適切な説明を与える可能性があります。 

自動選択の原理は全ての物理法則や物理現象の

根源・土台を説明しようとするものだからです。

 
とは言え自動選択の原理は簡単に言えば

「時空に含まれるどの様な形のパターンでも物理現象になり得る」

と言うぐらいの事しか言っていないので

このままでは想像できる形のパターンに色んな可能性があり過ぎて

この原理によって具体的には物理法則が

どう説明されるのかは分かり難いと思います。



そこで登場するのが吸収パターンという訳です。

厳密な話は以降のページで行いますが、ここで

もう少し吸収パターンと自動選択との関係に

踏み込んでみます。


上でも述べた様に自動選択を考える時、

選択候補となる形のパターンが

多すぎるのが一つの問題だと言えます。


しかし形のパターンにも確定的な性質・制限があります。

それは

「どの様な形のパターンであれ時間と空間(時空)を使用する」

というものです。

例えば球体が存在するならその球体は

その体積の分だけ空間を使用しているし

その球体が存在している間は時間も使用している

事になります。


従って巨大な形のパターン程、巨大な空間が

必要だと言える訳です。


これは形のパターンを規定・選別するための

大きな制約になり得ます。

 

ただし このままこの制約を使う訳にはいきません。

なぜなら形のパターンは時間的、及び空間的に

重複して存在できるからです。


これを包括原理と呼んで一応説明もしていますが

難しい話ではなく、単に形のパターン同士が

重なる事も考えられるよね?という話です。

 図

つまり形のパターンは時空を使用するものの

それはあくまで「使用」であって「消費」ではない訳です。

どの様な形のパターンであれ時空を共有できて

しまう訳です。

これでは形のパターンがいつでもどこにでも発生するのを

防ぐことはできません。


そこで吸収パターンの考え方を導入します。

次回詳しく述べますが簡単に言えば吸収パターンとは

形が空間を吸収するパターンであり、

空間の吸収は空間の消費を意味するため

吸収体の周囲に同時に生成可能な形のパターンは

制限されます。


2021年1月5日火曜日

観測選択の原理

 自動選択によって世界を構成する形のパターンが

うまく選ばれていったとしても、依然として時空には無数の

形のパターンが存在する事に変わりありません。


つまり我々が物理現象とみなさなくても

単なる形のパターンは時空にいくらでも存在しています。


しかし勿論、その様な我々が観測できない形のパターンは

物理現象だと考える必要はありません。


直接的に観測できなくても、せめて間接的には観測できる

形のパターンが物理現象であると認められるべきです。


これはつまり

「自動選択によって選ばれる世界は観測と関係する」

という法則が存在すると言っても良いと言う事を意味します。



この法則を観測選択の原理、または単に観測選択

と呼ぶ事にします。