2017年12月29日金曜日

変異と崩壊

前のページの例題を広げてみましょう。

下の図のC,D,E,Fは
Bの後、つまりリンゴが頭に当たった後の
分岐の一例だとします。


Cはリンゴをキャッチし
Dはリンゴを落とし
Eはリンゴが爆発し
Fはリンゴが大爆発している
ものとします。

CとDはリンゴをキャッチする、しない
という違いはあるものの、どちらも
知覚者がリンゴに反応するという形で
知覚パターンが成立しています。

従ってCとDは両方とも
分岐後に世界が存続します。

この様に複数の分岐先において知覚パターンが成立する場合、
客観的に言うと
世界が増殖している事になります。

かと言って勿論
知覚者が世界が増殖している事に
気が付く事はありません。
それぞれの知覚者の立場から見ると
世界は増えていないからです。
それぞれの分岐先において
それぞれの知覚者が
それぞれの世界を体験する事になります。


次に分岐Eを見てみましょう。



分岐Eは普通のリンゴが突然爆発しているものとします。
つまり物理法則が無視されている例です。
この様に
その世界で絶対に起こるはずがない現象
絶対に発生するはずがない形のパターン

変異

と呼ぶ事にします。

つまり変異は想定上の存在であり現実には起こりません。
もし起こるなら定義上それは変異じゃない事になります。

しかしながら…
時空にはどんな形のパターンもあるので
自動選択に任せていては知覚者が物理現象が無視される様な
形のパターンに遭遇する事もある様な気がします。

それなのに我々は
物理法則が守られる世界だけを体験しています。

なぜ我々は変異を体験しないのでしょうか?


この様な自動選択についての深い話に入る前に
もうしばらく 用語の定義や概念の補足などを
行っていきます。

分岐Fを見てください。




分岐Fは突然リンゴが大爆発をし、
それによって知覚者の意識が一瞬にして
永遠に消失するパターンだとします。

この様に何かの形のパターンが壊れて
復元もされない事を崩壊と呼ぶ事にします。

崩壊が一瞬で起こればその選択肢は全ての
知覚者にとって存在しない現象だとみなされます。
なぜならその選択肢が選ばれた世界では
それを知覚する者がいないからです。



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2017年12月27日水曜日

知覚パターンと自動選択

全ての現象が形のパターンによって出来ているという
現象形象説が正しいなら
我々の思考や知覚も形のパターンによって出来ている
事になります。

知覚や思考や主観を構成する形や形のパターンを
知覚者知覚パターンなどと呼ぶ事にします。

知覚は複雑なのである瞬間の知覚パターンが
次の瞬間にどういう形のパターンをとれば
知覚を維持できるかその選択肢は限られているはずです。

例えば以下の図における上段(時間1)は
頭の上にリンゴが落ちる直前の様子だとします。



そして下段(AとB)はその後にどうなったかを
示す二通りの分岐だとします。

分岐Aは
リンゴがなぜか落ちずに拡大しています。
そして知覚者のあらゆる状態が変化していないものとします。
この場合知覚者にとって時間が止まっているのと同じなので
知覚者は選択された事に意味を感じないパターンだと言えます。

一方分岐Bは
リンゴにぶつかった知覚者がそれに反応しています。
つまり知覚パターンに変化があります。

従って分岐Bは知覚者にとって
時間1から時間が少し進んだ世界として
成立します。


何が言いたいのかと言うと
時空にはどんな形のパターンも存在しているので
ある知覚パターンが次にどう変化するのかは
選択肢が無数にある事になります。

知覚者にとってはその中から知覚パターンの続きとして
成立可能パターンだけが結果的に自動選択される
状態なのだと推測されます。

仮に知覚パターンが成立しない形のパターンを追っても
そこには世界を観察する者がいないため
その様な世界は存在が認められない事になります。

これが時空から物理現象が
抽出される仕組みだと考えられます。

この仕組みを
自動選択の原理とか
単に自動選択と呼ぶ事にします。


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2017年12月21日木曜日

媒体は空体の一種か

前のページで述べた様に
媒体の特徴は空体パターンによっても表現できます。

空体パターンとは
言ってみれば単なる形のパターンの事ですが、
もしこれによって物理現象が表現できないなら
「全ての物理現象は形のパターンで表現できる」
という現象形象仮説と矛盾します。

つまり一旦は
物理現象を構成する形のパターンを
何か特別な存在かの様に
媒体パターンと命名したものの、

実際はそれは時空さあればいくらでも成立する 
空体パターンの一種に過ぎないと考えられるのです。


これはつまり
時間と空間さえあれば
その中に物理現象が含まれている
事を意味します。

だって
時間と空間の中に空体パターンとして
どの様な形のパターンであっても含まれているのだから、
その中には当然
物理現象を構成するのと同じ
形のパターンも含まれている事になるからです。



これにて最初に示した要旨、

1:物理現象は形のパターンである
2:形のパターンはいくらでも時空に含まれている
3:従って時空さえあれば物理現象もそこに含まれている


が概ね説明されたのではないでしょうか?

2017年12月10日日曜日

真空と物質の違いは形に依存する

我々が認識しなくても
空間さえあれば、領域としての形は
どこにでもいくらでも存在していると言えるので
それを時間と組み合わせて考えると
どの様な変化をする形のパターンも
時空に含まれているという事になります。

そして その中には物理現象が
作る形のパターンも含まれているはずなので
時間と空間さえあればそこに物理現象が
含まれているという理屈が
成立する事になります。

これをもう少し具体的な例で確認してみます。


真空と比べ、物質の特徴はどこにあるのでしょうか?

物質は真空と違って
触れる、相互作用がある…等
色々とその特徴を挙げられそうな気がします…


例えば鉄球同士は近づき過ぎると衝突します。

逆に何の抵抗もなく通過できる領域は
何もない領域であると分かります。

つまり
移動によって物質と真空の違いが浮き彫りになる

…様な気がします。



しかしこういった物質の性質は

何もない領域のパターンでも再現が可能です。


いやしかし
何もない領域が衝突するパターンには
何の意味もないのでは?
と思われるかも知れませんが…

ここで注意したいのは

物質においても
「何かがある」だとか
「何もない」だとか
「形や境界はこうなっている」
などを判断するための情報は
形のパターンに依存するという事です。

この辺の事をもう少し考えてみましょう。

まず
動きのない世界で形が認識される事はない
という事から説明します。


上の図は黒で塗りつぶした場所に
3つの形が存在している様子だとします。
この時、3つの形が静止して動かない状態が続けば
本当に形が存在しているかどうか分からない事になります。

もしも世界の時間が止まり続ければ
あらゆる意味や概念が生じないのと同じ理屈です。

一方、次の図は


左右の形が中央の大きい形にぶつかって
進路を曲げる様子を表しているとします。

こうした何かしらの動きがあって
初めて物の形と存在が明らかになる分けです。


また


左右の形が中央の形を無視して進んだ場合、
中央に形がある事は何者にも知覚されません。


つまり

形がないという情報と形があるという情報の

どちらも形のパターンによって構成される

分けです。

これは
真空中に想定できる空っぽの領域や
位置情報としてだけの形のパターンと、
物質として現象を作っている
形のパターンを区別するには
形のパターンそのものに依存するしかない
という事を意味しています。


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2017年12月3日日曜日

物理法則の存在理由

物理現象は形のパターンだから
時空に含まれている…というのが
1章の要旨でした。

しかし
形のパターンが時空に無数に存在する中で
なぜ世界は我々が目撃している様な
世界である必要があるのでしょうか?

例えば下の図の様な状況で

おにぎりは右にあっても良かったはずなのに
なぜ左にあるのでしょうか?

また、どんな形のパターンでも成立する世界ならば


リンゴが落ちずに上空に向かって移動しても良いはずです。

世界の状況、つまり世界の形が
なぜこの様であり、
そして過去から未来へ向けて
なぜ物理法則という決まった通りの
ルールで形のパターンが
展開されるのでしょうか?

それが時空現象論における
後半のテーマとなります。

この章の要旨は

1:知覚も形のパターンで出来ている。
2:知覚が成立するパターンは自動選択される。
3:自動選択が物理現象と物理法則を決める

と言った感じです。


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