2016年5月27日金曜日

2章 時空と形象パターン

空間と時間は無限に存在する

我々は空間が存在しないという状態を想定する事が出来ない。例えば「空間がない」と言った場合どこに空間がないのだろうか?そのどこが指定出来るならその部分に空間はあるのである。よって空間はどこにでもあると言える。また、どこにでもあると言う事は無限の彼方まで存在する事を意味する。
 また、我々は時間が止まる事を想定出来ない。止まった時間が存在するには前後の時間も必要になるからだ。よって、時間も無限に存在すると言える。
 

空間にはあらゆる形象が含まれている

空間は至る所が位置である。そして位置は形象の点と同義なので空間の至る所に点の形象が含まれていると言える。また、どの様な線も面も立体領域も空間に含まれている。従って空間にはあらゆる形象がどこにでも含まれている。

時空にはあらゆる形象パターンが含まれている

空間にはあらゆる形象が含まれていると述べたが、これは時間の流れを考慮しても同じである。つまり時間の流れにおけるどの瞬間の空間にも、あらゆる形象が含まれている。
 また、あらゆる形象の変化は、ある瞬間の形象が別の瞬間に変わる事やその繰り返しによって構成されている。そして空間のどの瞬間のどの場所にどの様な形象も存在する事は、空間中のある形象が次の瞬間にどの様な変化をするパターンも存在する事を意味する。従って時空にはあらゆる形象パターンが含まれていると言える。

形象は他の形象を否定しない

形象は媒体の種類や有無を問わない。また形象は空間さえあれば成立する。この様な形象の定義からは、ある形象の存在が別の形象を否定する性質は導かれない。つまり、特別なルールを設けない限り、ある形象や形象パターンがあるからと言って別の形象や形象パターンがない事にはならない。
 例えばある領域を保有する形象Aの内部に別の領域を保有する形象Bがあるとする。この時、AもBも両方同時に存在する事が可能である。BがAの内部に埋もれているからと言ってBが存在できないという事にはならない。
 ところで同じ領域に完全に重なる複数の形象が存在する状況は一つの形象だけがあるのと区別がつかない。この場合、一つしか形象がないと考えるか複数の形象が重なっていると考えるかは解釈の自由があると言える。

時空の中に物理現象が含まれている可能性がある

時空の中にどの様な形象パターンも含まれている事は、現象形象仮説が正しい場合、その中の一部の形象パターンは物理現象を構成する形象パターンと一致する事を意味する。つまり現象形象仮説が正しい場合、時空さえあればその中に物理現象が含まれている事になる。

媒体の概念は形象パターンによって作られる 

物理現象は形象パターンで出来ていると述べた。しかし物理現象として形あるものが存在するためにはまずその形を構成するための媒体や物体や実体と言った空間以外の要素が必要だとは思わなかっただろうか?だがそういった概念も形象パターンで構成されていると考えられる。
 例えば物体と物体は触れたら反発するので物体同士が互いにめり込む事はない。我々はこういった現象から物体は周囲の空間とは違って媒体や実体のある形象だと思いがちである。しかし物体同士が反発するという現象は形象パターンに他ならない。この様に媒体や実体とは何なのかを考えていくとそれが形象パターン以外の何かである根拠は得られないはずだ。従って物理現象は表現上の話として形象パターンで表せるだけではなく、本当に単なる時空に含まれている形象パターンの一部が物理現象を構成している可能性がある。

媒体の種類は形象パターンによって分類される

これはやや1章の現象形象仮説の説明の繰り返しの様な話となるが、媒体の全体的な概念が形象パターンで表せるのと同様に、媒体の種類や性質も形象パターンによって表せる。具体的に言うと媒体の種類とは物質や粒子の種類の事であり、それらは質量や電荷や力等の性質によって分類される。そしてこれらの性質は形象の速度や進路で判断される。つまり種類や性質の情報は形象パターンに含まれている。


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